腰痛の6つの検査方法!その検査、意味ありました?
この記事では腰痛の検査について詳しく書いていきます。
- 腰痛の検査の種類
- その検査で何を調べたいのか?
この2つを紹介していきます。
腰痛の検査法はどんなのが、あるの?
腰痛の検査法は大きく分けて画像検査と整形外科的検査にわかれます。
その前に、日本整形外科学会 日本腰痛学会が出している
「腰痛診療ガイドライン2012」で診断の手順とポイントを紹介されています。
腰痛の診断の手順とは
一応、このように決まっています。
なかなか腰痛患者さんが病院でこの手順で検査を受けてもらっている感じはないようです。
残念ですね。では、
腰痛に使う画像検査とは
- 単純レントゲン検査
- CT検査
- MRI検査
この3つが主に使用されます。
関節の中に造影剤や空気を入れて椎間板の状態を把握するために使われることもありましたが
MRI検査に置き換わって最近では減ってきています。
単純レントゲン検査とは
通常のレントゲン検査で行われている方法です。
骨は密度が高い組織なのでX線が通り抜けにくいので
骨の状態がわかります。
逆を言うと、骨の状態以外は画像に映らないので
「骨に異常はない」とわかるだけで診断を確定できません。
組織の密度 | レントゲン画像での色 |
骨は高密度 | 白 |
筋肉・血液は中密度 | 薄い灰色 |
脂肪組織は中低密度 | 濃い灰色 |
空気は低密度 | 黒 |
単純レントゲン検査で判断出来る腰痛の原因
- 変形性腰椎症(トゲのような骨が出来る)
- 脊柱管狭窄症(腰椎の変性が起こります)
- 腰椎分離すべり症(側面像でテリア犬の首輪のように見られます)
このような病名が考えられる際には
単純レントゲン検査は有効な検査法になります。
それだけでは腰痛の確定診断にはならないようです
CT検査とは
X線を多方向から当てて集まったデータをコンピューターで画像に再構成する検査です。
単純レントゲン検査と同じで骨は白く映り、空気は黒く映ります。
CT検査の撮影時間は数秒と短いですが単純レントゲン検査と比べると
放射線被曝の量は数十倍になります。
単純レントゲン検査と違う点は
体を輪切りにしてように撮影することが出来る点です。
MRI検査とは
原理が難しいので簡単に説明させてください。
人の体に含まれる水分や脂肪分に含まれる水素原子に電磁波を当てて
共鳴する変化を画像化したものをMRIといいます。
CT検査と比べると、検査時間はかかりますが放射線被曝の心配はありませんし、
知りたい断面図の画像も見ることができます。
基本的にMRI検査は2種類の画像があります。
T1強調像とT2強調像と呼ばれていて骨以外の組織の診断に使われることが多いです。
- T1強調像は水分が多い場所は黒く映します(低信号)
- T2強調像は水分が多い場所を白く映します(高信号)
T1強調像・T2強調像を比べると組織によって濃淡の違いから
椎間板などの組織の状態が判断がつきます。
整形外科的検査とは
整形外科的な症状を機械を使わずに原因を見つける検査法です。
どういった腰痛の診断に役に立つか?
- 椎間板ヘルニアなどの坐骨神経痛
- 腰椎の可動性(動き)障害
- 仙腸関節(骨盤の関節)の障害
症状を無理に出す動作が含まれるので、より酷くなることがあります。
SLR(下肢挙上テスト)
この検査法はよく用いられるので体験した人も多いと思います。
手順としては、
仰向けの状態で膝を伸ばしたまま、施術家が持ち上げて行く時に
腰に痛みが出ると陽性です。
痛みが出る角度によって、原因が変わってきます。
- 0〜30度で痛くなると坐骨神経の動きがない状態。
- 30〜70度で痛くなるとL5,S1,2の神経が原因になっていることが多いです。
主に、腰椎椎間板ヘルニアの人には重要な検査法です。
ケンプテスト
椎間関節(腰椎の関節)に圧迫するストレスをかけて関節の異常を見ます。
検査方法は、体を捻った状態で後ろに倒す。
腰に痛みが出たり、足にシビレが出ると陽性で椎間関節性腰痛や分離症などには有効な検査法になります。
ヒブテスト
仙腸関節(骨盤の関節)にストレスをかけて痛みが出ると仙腸関節の問題を疑います。
検査方法は、うつ伏せになり膝を直角に曲げて足首を外側に倒します。
骨盤周辺に痛みが出ると、仙腸関節の障害が考えられます。
腰痛検査のまとめ
腰痛の約85%はわかっていないと言われています。
今回紹介した腰痛の検査方法で、腰痛の確定的な診断が付くのは
残念ながら、腰痛患者さん 全体の15%しかいません。
それ以外の腰痛は、筋筋膜性腰痛と最近は言われています。