腕がだるい!胸郭出口症候群じゃないかも、しれないよ。
先日、“左腕がだるい”と来院されたKさんがいました。
その時の施術は、気になる左腕以外に原因があったので紹介したいと思います。
腕がだるくなる原因は
一般的に、5つの病気を考えないといけません。
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
- 変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)
- 閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
- 筋筋膜性疼痛(きんきんまくせいとうつう)
来院されたKさんは筋筋膜性疼痛でした。
どう違うのか?
1つ1つ見ていきましょう。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアは30〜50歳の男性に多い症状です。
症状は、椎間板ヘルニアが圧迫する部分によって変わります。
神経根症状(背骨から腕に行く神経を圧迫)と
脊髄症状(脳から足まで行く神経を圧迫)で大きく変わります。
肩甲骨周辺の痛み、腕に広がる痛み、肘や手・指のしびれと感覚障害、だるさ(脱力感)、筋萎縮など。
多くの場合で、腕や手・指に感覚障害があります。他にも、胴体・足にも広がります。
脊髄症状は排尿不全や頻尿などの自覚症状も感じる人が多いようです。
胸郭出口症候群
腕に向かう血管と神経が、首〜肩の部分で圧迫・牽引を受けることで症状が出る病気です。
胸郭出口症候群の症状は、
腕や手に痛みやしびれ、だるさ・脱力感、冷感、肩こり感、前胸部にうずくような痛みがある。
(全ての症状が出るわけではありません)
・鎖骨の下を通る静脈が圧迫されると腕から指先にかけてチアノーゼ(紫色)になり重苦しさが出てきます。
圧迫・牽引が加わる場所で、胸郭出口症候群の名前が変わってきます。
- 斜角筋症候群(しゃかくきんしょうこうぐん)
- 肋鎖症候群(ろくさしょうこうぐん)
- 小胸筋症候群(しょうきょうきんしょうこうぐん)
この3つをまとめて胸郭出口症候群といいます。
- 神経・血管が圧迫される胸郭出口症候群を圧迫型といいます。
圧迫型は男性に多く。 筋肉が発達して神経や血管を圧迫して起こります。 - 神経・血管を牽引(引っ張り)起こる胸郭出口症候群を牽引型といいます。
牽引型は女性に多く。
筋肉が弱いので肩〜腕が垂れ下がるようになり神経と血管を引っ張って起こります。
変形性頚椎症
年齢とともに、骨は変形していきます。
首の骨が変形していく時は、椎間板も一緒に変形していきます。
レントゲン検査などで、「首の骨が変形してますね」と病院で言われても
そこまで、不安に感じないでください。
変形は絶対に起こります。
あなたの症状の原因が「骨の変形」とは限りません。
閉塞性動脈硬化症
なかなか聞き慣れない病名ですね。
私も詳しくないので専門書から引用します。
50歳以上に好発し、女性よりも男性の方がやや多い。
動脈壁のアテローム硬化(コレステロールがたまって動脈硬化)が原因です。
心疾患・脳血管障害、糖尿病などを合併していることがある。閉塞が進行すると、皮膚の潰瘍や壊死をきたす。
治療は全身合併症の管理を行い、理学療法によって側副血行の形成を促進する。薬物療法では、プロスタグランジンE1を用いる。
比較的、大きい血管で病変が限定していれば血管移植術を行う。進行例では、四肢切断の適応になる。
すごく怖い病気です。
赤文字にしたところに、思い当たるフシがある人は医師に相談してください。
筋筋膜性疼痛
腕がだるくなる原因の筋筋膜性疼痛と、胸郭出口症候群の見分け方は非常に難しいのですが
Kさんの場合、左腕をバンザイすると左肩から肘にかけて重たい。という自覚症状がありました。
左の親指を押しながら、バンザイすると重たさが軽減しました。
他にも、反対の右肩を正しい位置に戻したり、骨盤を左に傾けたりすると左肩から肘にかけての重たさが無くなりました。
Kさんの首や左腕を触らなくても不快な症状を治すことが出来ました。
今回紹介したように、腕のだるさの原因は数多くあります。
病院での対処が必要なものもあります。
でも、病院で原因不明。のような症状は
筋筋膜性疼痛かも、しれません。
もし、あなたが健康な体に戻るのに
私が力になれそうなら、いつでも相談してください。